※これは、「フランス留学勉強日記」という私が以前書いていたブログにて、2/25/2020 に投稿された記事です。昔の記事をこちらのブログに移設中です。
こんにちは!昨日から少し真面目に生き始めました!
前回に引き続き、フランスの大学(法学部)での授業ノートの取り方ついて考えていきたいと思います。前回の記事はこちら
今回の疑問はずばり、「なんで先生は授業を「読み上げる」のか?
本当のことをいいますと、「私が知りたいよ!」という気持ちですが、ここでは先生方の言葉と雰囲気の端々から読み取れる「これが理由かな?」と思うことを紹介します。
まず、授業は先生の「著作物」という意識がとても強いということ。著作物ですから無闇にコピーだの、スライドやレジュメにしたものだのを配布したりしません。著作権保護第一!って感じなのかな。これは、日本の大学だとあまり感じなかったなぁと思います。
確かに日本の大学でも授業は先生方が考えて作り上げたものなので、「著作物」には変わりないのでしょうが、教育という名目のためか、なんなのか、そこまで「生徒と共有は最小限!!」という意気込みは感じませんでした。(でも、読み上げだけの先生は存在するらしいですね。確か山口真由弁護士の勉強法の本にそんなエピソードがあった気がします。)
しかし、フランスでは「これは私の著作物!」という色がとても強く表に出ているように思います。このことがよくわかるエピソードが二つあります。
一つ目は、たまにいるスライドを使う先生のスライドの全ページに©️マークが入っていたこと…(そしてその先生も絶対に印刷でしか配布せず、電子データはもらえない)。なにも、そこまでしなくても…。
二つ目は、学生が授業中に取ったノートをネットにアップしてはいけないと注意喚起がなされた時に(そんなことする人いるんだ…)、先生自身が「著作権違反です」と言っていたこと。それでもネットにアップする学生が跡を絶たないようです…。噂によると学生のノートはスペルミスばっかりらしいけど…苦笑
ここで、私が思ったのは、「そんな著作権、著作権っていうんだったら、教科書書いて学生に買わせろ!」日本の大学ではよくあることだし(批判も多いらしいですが)、私なんかは先生の書いた教科書があるなんて超ラッキーと思ってしまうほうです。
しかし、法学の教科書出版事情はそんなに甘くないのか、法律関係の大手出版社から出ている教科書は本当に有名な先生(たいてい、有名大学の名誉教授とか)のものばかり…。キャリアの途中の先生が参入する余地はあまりなさそうです。特に「〇〇社の教科書シリーズ」として出ていたら、著者の先生方が御引退なさるまで新参者にチャンスは回ってこないでしょう。そう考えると、先生たちも大変ですね。
そんなわけで、先生たちはいつか来る日の教科書出版のために(?)自分の著作物を守りつづけ、学生は読み上げ方式に耐えながらノートを取るという感じです。私は自分の通っている大学しか知りませんから、どこの大学もそうとは言えませんが、あまり大きくは変わらないのではないかなと思います。というのも、「法学部一年生に合格する!」といった How-to 本を読むと、似たようなエピソード+ノートの取り方がセットで載っていることが多いからです。
最後に、実際に関係あるかどうかは分かりませんが『西洋教育思想史 』という本に面白いことが書いてあったので紹介します。
中世ヨーロッパの各地で大学が設立された頃の大学の授業は、「読み上げる」方式が主流だったそうです。その理由は印刷機がなかった(あるいは普及していなかった)ため、教材を複製するということができなかったからだそうです。(ざっくりとしているので、興味がある方は本を読んでみてください。)
この本からは離れますが、法の歴史の授業でも法の教育が大学で始まった頃の授業は法律の条文を読み上げてコメントをつけていく形だったということも紹介されていました。(こちらも超ざっくりなので、興味がある方は本を読んでみてください。もっと面白いことがたくさん細かく書いてあります。)
こういったヨーロッパの教育や法律の歴史を受け継いで今の形があるのかなと思うと、それはそれでロマンがあるのかなぁとも思います。(大変なことには変わらないけど。)
次回は実際にどうやって授業中にノートを取っているのかという方法を紹介します。(追記:こちらの記事で紹介しています。)