※これは、「フランス留学勉強日記」という私が以前書いていたブログにて、2/23/2020 に投稿された記事です。昔の記事をこちらのブログに移設中です。
こんにちは。生きています。
ブログを放置しているにもかかわらず、ちょくちょく見にきてくださっている方がいらっしゃるようで、ありがとうございます。
…これから真面目に生きます…!!()
今日はフランス語でどうやったら授業ノートが取れるのかという(私にとっての)永遠の課題を考えてみたいと思います。
まず、前提として、フランスの法学部は(それともうちの大学だけ?)基本的にパワポなし、レジュメなし、板書なし(これは先生による)です!
スイスの大学の法学部に通っている友人と以前話したのですが、スイスの法学部では授業中にパワポスライドがあるらしいです!(スイスに留学すればよかった!笑)対してフランスはというと…
先生が自分の書いてきた授業を「読み上げる」方式!英語のLecture(「講義」の意)がフランス語で「読書」という意味なのもこれで納得!(わかっても嬉しくない)
つまり、学生はひたすら先生が言っていることを聞き漏らさないように書きとるという作業をすることになります。
板書は基本的にゼロです。
優しい先生だと、判例の名称、ラテン語表現(法学ではこれがたくさん出てきます)、複雑な概念の説明に板書を利用してくれることもあります。
厳しい先生ですと、ラテン語表現が出てきて、学生が「???(ザワザワ)」となって、さらに「黒板に書いていただけませんか?」と質問する受講生がいても、「ここ大学なのだから自習の時に調べなさい」と言い放つ先生もいらっしゃいます。(実際にあった。忘れもしない1年生のヨーロッパ法概論の授業…。(遠い目)
日本の大学でおなじみの授業のレジュメもありません。
日本の大学の至れり尽くせり感を今になって実感…。授業で何を話されるか事前に(たとえそれが数分前であっても)知ることができるというのはなんて助けになることなんでしょう。残念なことに、フランスの法学部では話の切れ目ですら突然降ってきます。
中には親切なことに授業の目次を配布してくださる先生もいらっしゃいます。もうそれだけで神として崇めたい…!!(でも目次だけで9ページもあったことも…そう、法思想史の授業…)
目次ってなに?レジュメと違うの?って思いますよね…思いませんか?
私も良くわかりません。
もしかしたらこれがレジュメに相当するのでしょうか…ただし、形式が本当に本の目次です。
法学では特に情報が階層化されて教えられます。
そのため、先生は章立てを授業の中で言っていくことになります。パワポもありませんから、日本語でいうとしたら、
「第1章 xxxx。この章では、まずaaaの原則、これは第1節で話します。それからその効果を第2節で話します。では、第1節 aaa の原則。」
といったように話していきます。
(章立ての規則についてはまた別の記事で触れられたらいいなと思います。)
このように、実際に本を音読しているかのように授業が進められていきます。その指針となるのがたまに恵んでもらえる「授業の目次」なのです。
ただし、この方式で授業をやっているのは主に法学部のようです。
というのも、法学部ではもちろん法律だけを勉強しているわけではなく、社会学や政治学の授業もあります。そういった科目の先生の中にはスライドを使ったり、スライドをオンラインにアップして学生がアクセスできるようにしてあったりと、普段虐げられている法学部生からすると、「こんなにしてもらっていいんですか?」と思うような先生もいらっしゃいます。少ないけど。
また、以前交換留学でフランスの大学に通った時は文学部所属だったのですが、そこでは先生方はほぼスライドを使って授業をしていました。その結果、フランスの法学部のやり方を知らずに留学してしまい、大変な思いをすることになるのですが…
以上のことを考えると、「読み上げ」方式は法学部の「文化」なんだなぁ…シミジミ
次回はなぜフランスの法学部では「読み上げ」方式なのかということについて考えていきます。この前読んだ『西洋教育思想史』に面白いことが書いてあったので、それにも触れたいと思います。
最後まで読んでくださってありがとうございます!
では、また!
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